細胞分裂や酵素の活性化を促す亜鉛は、味覚や免疫機能、性機能を正常に保つうえで欠かせないミネラルです。今回は"味覚のミネラル"といわれる亜鉛のサプリメント、成分効果・効能、不足した時の症状や亜鉛が多く含まれる食品について解説します。
Contents
亜鉛は、味覚障害を予防したり性機能を正常に保つサプリメント
亜鉛は、核酸の合成にかかわり、細胞分裂や増殖の際に必要な成分です。そのため不足すると新陳代謝の盛んな細胞で障害が起こります。成人に見られる症状は、味覚障害や皮膚、骨などの障害、免疫、神経系の障害、性能力の低下など多岐にわたる症状がでます。
亜鉛を必要とする成長過程の小児や、食事量を減らし亜鉛の摂取量が少ないダイエット中の人、高齢者、重篤な病気を持っている人などは、亜鉛の欠乏症になりやすいので注意が必要です。
味覚障害を予防する

最近、「料理の味がしない」「異常な味を感じる」など味覚について感じていませんか?そういう方は、亜鉛が不足してかもしれません。というのも、亜鉛は微量元素の中でも一番不足しやすいミネラルだからです。


亜鉛は、正常な状態なら味覚細胞は細胞分裂によって約10日間で入れ替わりますが、不足すると代謝が鈍って細胞が入れ替わりません。そのため味覚障害を引き起こしてしまいます。
性機能を正常に保つ
亜鉛は、別名「セックスミネラル」とも呼ばれています。テストステロンと呼ばれる男性ホルモンや精巣、前立腺では、たくさん亜鉛が使われています。そのため、亜鉛は性機能を維持するのに欠かせない栄養素といえます。
男性が亜鉛不足になると、インポテンツや前立腺肥大、精液の減少などの症状が現れる場合があります。また女性の場合は、月経異常や不妊、流産などを引き起こす場合があります。

味覚障害や性機能を正常に保つおすすめサプリメント



亜鉛の豆知識
亜鉛はタンパク質を合成するときに使われる酵素の材料となり、新しい細胞の形成に関わっています。抗酸化作用を活性化させるほか、皮膚の健康を保ち、免疫反応をサポートし生殖機能を維持する働きもあります。
亜鉛とは
微量ミネラルに属する亜鉛は、約300種の酵素の成分として働きがある生命活動の根幹を支えるといってもよいミネラルです。
亜鉛は、体内に2~4g存在しています。そのほとんどが細胞内に含まれていて、わずかですが血液や毛髪、爪などにも含まれています。臓器としては、全体の85%~90%が骨と筋肉に存在しています。
ビタミンAの働きを助け、免疫力強化や老化防止、生活習慣病予防にも関わっています。
亜鉛の効果・効能

このような効果・効能があります!
- 味覚や嗅覚を正常に保つ。
- 皮膚の健康を守る。
- 抜け毛を防ぐ。
- 子供の発育を促進する。
- 傷の治りを早める。
- 免疫力を高める。
- コレステロールの沈着を減らす。
- 男性の生殖器官の発達と生殖能力の維持に働く。
- 女性ホルモンの分泌を活性化させる。
- 有毒金属から体を守る。
亜鉛が不足すると起こる症状

このような症状が出る場合があります!
- 抜け毛が多くなる。
- うつ病や情緒不安定になる。
- 味覚異常になる。
- 肌が荒れる。
- 皮膚や髪、爪がカサカサになる。
- 動脈硬化が進む。
- 大気汚染に弱くなる。
- 爪に白い斑点ができる。
- 風邪をひきやすくなり、病気の回復が遅れる。
- 男性は性能力の低下や前立腺肥大症になる。
- 子供は身長が伸びない。
病気の人は亜鉛不足に注意
病気にかかると、体内に入ってきた細菌と戦うために白血球や抗体がつくられていきます。また傷んだりした組織を修復すためにコラーゲンなど多くのタンパク質もつくられます。これらをつくるには、エネルギーやタンパク質の材料となるアミノ酸や微量栄養素が必要となり亜鉛が多く使用されることになります。
そのため病気の人は亜鉛不足になりやすく、免疫機能が低下したり、傷の治りが遅くなったりしますので注意が必要です。
亜鉛を摂り過ぎた時は
亜鉛は吸収率が悪いので過剰症は起こりにくいのですが、サプリメントなどを過剰に摂取すると嘔吐、食欲不振、下痢、銅欠乏症を引き起こすことがあります。
ココに注意
亜鉛と銅はバランスが大事です。亜鉛を多く摂取すると銅の吸収が抑えられ銅欠乏症が現れます。また銅を摂取すると亜鉛の吸収が抑えられてしまいます。亜鉛と銅はバランスよく摂取しましょう。
亜鉛の必要量
1日の推奨量(mg)は、男性と女性で少し違います。
- 成人男性 11mg
- 成人女性 8mg
- 耐容上限量 男性 45mg、女性 35mg
メモ
牡蠣 3個程度
亜鉛を多く含む食品

亜鉛が多く含まれている食品は、牡蠣、タラバガニ、するめ、鶏卵、そら豆、油揚げ、納豆、玄米、トウモロコシ、ゴマ、松の実、アーモンド、豚レバー、牛もも肉、プロセスチーズなど。
| 食品名 | 亜鉛(mg)/100g当たり |
| 牡蠣(生) | 14.5 |
| タラバガニ(ゆで) | 4.2 |
| するめ(焼き) | 1.9 |
| 鶏卵(卵黄 生、ゆで) | 4.2 |
| そら豆(全粒 乾) | 4.6 |
| 油揚げ(生) | 2.5 |
| 納豆(糸引き納豆) | 1.9 |
| 玄米 | 1.8 |
| トウモロコシ(ゆで) | 1.0 |
| ゴマ(乾) | 5.5 |
| 松の実(生) | 6.9 |
| アーモンド(乾) | 3.6 |
| 豚レバー(生) | 6.9 |
| 牛もも肉(皮下脂肪なし 焼き) | 6.3 |
| プロセスチーズ | 3.2 |
※参考 2019年における日本食品標準成分表2015年版(七訂)のデータ更新
ココがポイント
納豆や豆腐などの大豆製品を食べる時は、肉や魚などの動物性たんぱく質も一緒に食べましょう。豆類に含まれるフィチン酸と呼ばれる物質は、亜鉛と一緒に摂ると結合して腸から吸収されない物質に変化してしまします。そのため、せっかく摂取しても亜鉛は使われないまま排泄されてしまいます。
亜鉛の食事摂取基準(2020年版)
日本人の食事摂取基準(2020年版)より抜粋しています。
男性の食事摂取基準(mg/日)
| 年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 |
| 0 ~ 5 (月) | ― | ― | 2 | ― |
| 6 ~ 11(月) | ― | ― | 3 | ― |
| 1 ~ 2 (歳) | 3 | 3 | ― | ― |
| 3 ~ 5(歳) | 3 | 4 | ― | ― |
| 6 ~ 7(歳) | 4 | 5 | ― | ― |
| 8 ~ 9(歳) | 5 | 6 | ― | ― |
| 10 ~ 11(歳) | 6 | 7 | ― | ― |
| 12 ~ 14(歳) | 9 | 10 | ― | ― |
| 15 ~ 17(歳) | 10 | 12 | ― | ― |
| 18 ~ 29(歳) | 9 | 11 | ― | 40 |
| 30 ~ 49(歳) | 9 | 11 | ― | 45 |
| 50 ~ 64(歳) | 9 | 11 | ― | 45 |
| 65 ~ 74(歳) | 9 | 11 | ― | 40 |
| 75以上(歳) | 9 | 10 | ― | 40 |
女性の食事摂取基準(mg/日)
| 年齢等 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 目安量 | 耐容上限量 |
| 0 ~ 5 (月) | ― | ― | 2 | ― |
| 6 ~ 11(月) | ― | ― | 3 | ― |
| 1 ~ 2 (歳) | 2 | 3 | ― | ― |
| 3 ~ 5(歳) | 3 | 3 | ― | ― |
| 6 ~ 7(歳) | 3 | 4 | ― | ― |
| 8 ~ 9(歳) | 4 | 5 | ― | ― |
| 10 ~ 11(歳) | 5 | 6 | ― | ― |
| 12 ~ 14(歳) | 7 | 8 | ― | ― |
| 15 ~ 17(歳) | 7 | 8 | ― | ― |
| 18 ~ 29(歳) | 7 | 8 | ― | 35 |
| 30 ~ 49(歳) | 7 | 8 | ― | 35 |
| 50 ~ 64(歳) | 7 | 8 | ― | 35 |
| 65 ~ 74(歳) | 7 | 8 | ― | 35 |
| 75以上(歳) | 6 | 8 | ― | 30 |
| 妊婦(付加量)初期 | +1 | +2 | ― | ― |
| 授乳婦(付加量) | +3 | +4 | ― | ― |